(2000年以降に公開、2014年2月7日に一部内容を更新)
謝罪文を書くストーカー(31歳)。ボールペンを握る手が震えている。
皇室ご用達のとある品を宮内庁に収める歴史あるお店の次男で面会前に遭遇した父親からは息子を見放している印象しか受けなかった。
出会い系サイトに網を張り、引っかかってきた依頼主をトレンド追随型の服装と今風の髪型、ソコソコのルックスでたらしこみ、巧みな話術で骨抜きにするという新種のヒモ型手口で口説いたこの男の弱点は、クレジットに300万円の借金があり首が回らなかったこと。毎月末の返済期日に金を無心しても未成年者にはなんともできるわけがなく、半年で愛想を尽かされた。
捨てられた直後からこの男は、電話や携帯メール、待ち伏せや付け回しなどから、交際中に自分が支払ったホテル代や飲食代を返せなどの恐喝を始め、拉致・監禁やありもしない借金の借用書への署名捺印の強要、依頼主を水商売でアルバイトさせるなどした。最終的に自宅に乗り込んで借金返済を請求したところでトラブルの全容が両親に知れ、当社が介入することになった。
このケースは遠隔地からの依頼であり、電話と電子メール、ファックスなどから経過と証拠の有無を詳しく確認し、事前準備を全て済ませてから現場に乗り込んだ。地理的に加害者の自宅が依頼主宅よりも100キロほど近かかったため、依頼主との最終ミーティングの前に加害者宅周辺を検索したところ加害者の在宅を確認。急遽予定を変更し、そのまま加害者を呼び出し、近所のファミリーレストランで面会した。
直接面会でこの男は達者な話術でいかに自分に非がないかを延々と喋り続けていた。問題点をすり替えるのがうまく、言い訳上手でソコソコの説得力もあるが底が浅い。未成年はたらしこめても当社は騙せない。この類の面会にはいくつかのキーワードを準備していくため、特定の言葉にどう反応するかで相手の心理状態を見破ることができる。そのほかにも何気ない仕草や唇の乾き具合などからも相手の言うことの真偽を判別できる。結局1時間足らずの面会でこの男は自分の非を認め、自発的に謝罪文を書き、涙を流しながら今後一切何もしないと誓約した。
男の書いた謝罪文は、依頼主へのご機嫌伺いであり、示談書でも和解書でもない。
しでかした不始末のについて個別に非を認め謝罪しているので、依頼主はこの謝罪文を根拠に民事から慰謝料や解決金、損害賠償を請求することもできる。これまでに関与した同類のトラブルでは、何よりも円満な解決と再発しないことを最優先に望む依頼主がこのような請求をしたことはないが、このケースではご両親の怒りが尋常でなく、今後どうなるかは未定。そのため、すぐに法的措置が執れる体制を維持している。
もちろん謝罪文に対して依頼主がどのように反応し、どう対応するつもりなのかについて加害者に連絡することはない。この男はこれから先の何年かをビクビクしながら過ごすことになる。
今回のトラブルは、これまでの最短記録のスピードで解決した。
対策費でサポートしている日数がタップリ余っているので、今後も積極的に依頼主をサポートいていく。
ところがこの男は何を考えているのか面会から半年ほど経過したある日に女性であるかのよう声色まで変え、あたかも相談者であるかのように当社に電話してきた。本件相談時から女性の声色を操れることは把握済みで、話す内容からこの男であると特定して説教開始。3分後には泣きながら謝罪していた。嘘泣きと嘘の謝罪を指摘し、再発させたら法的措置で追い込むことをきつく申し渡した。
以降不穏な動きはないが、身の程をわきまえ、二度とふざけたマネをしないことを切に望む。